2012/04/05

『フカヨミ feat.初音ミク』のトレース(4) ~センター・頭部~

MMDモーショントレース初心者向けに、自分なりのコツなどをご紹介。
FREELY TOMORROWのモーションファイルに同梱したテキストの改訂版です。


第3回はこちら


みなさんこんにちは。蔵人です。
前回の記事で足までトレースできました。

それでは次にセンターを調整し、頭を動かしましょう。


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第4回 ~センター調整・頭部~ 

◆センターを調整する 
◆頭部を動かす
◆補間曲線について

今回はあまり書くことがありませんね。

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◆センター XYZ座標(グローバル)


1)Z座標
まずはZ軸からです。


視点パネルを操作して、モデルを右または左から見ます。
前回足をトレースしたので、接地ポイントとのバランスを見て違和感がなくなるように重心を前後させていきます。



↑【左面】【右面】を押してね!


横から見てセンターの前後の位置を調整・・・。転ばないようなバランスで


センターのキーフレームは新たに打つことはせず、すでに打ってあるフレームの調整に留めます。
もしモデルがグルーブボーンを搭載していて、配布モーションにもグルーブを含めてよいと判断した場合、ここでZ軸のみをグルーブに負担させることで調整はかなり楽になります。

例)
センター → XY座標・Y軸回転
グルーブ → Z座標

グルーブは本来的にはセンターの移動と切り離して縦ノリを再現するための多段ボーンですが、別にZ軸に使ったからといって問題ありません。ベクトルを分解して調整を簡単にするという趣旨は同じです。

また、正面視点の元動画からはどうあがいても正確なZ位置は分かりませんので、あまり神経質にならずに感覚優先で大丈夫です。

色々な方が作成されたモーションをDLしてみれば分かりますが、上下左右のどこから見ても滑らかなモーションというのは極めて稀で、達人レベルのほんの数人が超絶な時間をかけたであろうものに限られています。

入門レベルでそこまでやると時間・労力・モチベーションの面で現実性が乏しくなりますので、まずは正面視点での正確さを第一に置き、その他の視点ではとりあえず違和感の軽減を目標にする程度でよいのではないでしょうか。



2)XY座標
Z軸の調整が済んだら視点を正面に戻し、XY座標をモデルとトレス元が重なるように調整します。


これで肩から足首までのシルエットはほぼ一致しているはずです。
大きくズレているようなら適宜修正して下さい。



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◆頭部


(※筆者が苦手とする部分ですので、後から加筆・修正がなされる場合があります。)


基本的にセンターのキーフレーム位置に合わせて打っていきます。
その方が意図しないカクカクを防げます。

頭部というと具体的には【頭】と【首】になるのですが、筆者はこの部位の使い分けがまだうまくできません。

XY軸回転とZ回転を分担させるのがいいのか、XZ軸回転とY軸に分けるのがいいのか…。それともベクトルで分けずに首単独で動かして頭を補助として使うのか、など試行錯誤を重ねている途中です。

ちなみにフカヨミのモーショントレースにおいては首をメインに3軸稼働させ、頭を補助として使っています。


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◆補間曲線について


初心者最大の壁とも言える補間曲線ですが、体幹と足に関してはこのタイミングで調整を施すのがいいかもしれません。


もちろんステップごとに調整してもよいのですが、フレームを打ち直すと消えてしまったりと不便な部分もありますので、まとめてやってしまった方が楽だと思います。


補間曲線に馴染みのない方はとっつきづらく感じると思いますが、これはモーション調整を楽にするための機能ですので、最初に覚えてしまったほうが後々の作業コストは軽減できます。


ちなみにフカヨミのモーショントレースでは実験的に「補間曲線を使わずに中割を増やす」という手法で調整をしています。どちらが楽か?どちらが速いか?という研究なのですが、結論は「使い分けたほうがいい」という無難なものになりそうです。


補間曲線については解説の動画がたくさんあるのでそちらをご覧ください。









頭までトレースした動画がこちらです
(※補間曲線はいじっていません)




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話は違いますが、解説動画をちゃんと作れる人って凄いですよねえ・・・。

筆者は講義形式で人前に立ってレクチャーするのは得意ですが、動画でわかりやすく教材にまとめるというのは苦手です。なぜって面倒くさいから。

面倒な事は大嫌い!手間を省いて成果を得たい、これが蔵人流です。

上の動画の方々はきっと面倒な事を乗り越えることが喜びなんでしょうねえ・・・。
筆者がちっとも成長しないのは面倒から逃げているせいなのでしょう。





さて、だいぶ形になってきたのではないでしょうか。
次回は腕ですね。難関ですが、ここも出来る限り省力化するコツをご紹介していきたいと思います。

それではまたお会いしましょう。蔵人でした。


つづきはこちら